雪室推進プロジェクト

雪室とは

雪国上越に伝わる、
「天然の冷蔵庫」

それが、雪室です。冬の間、降り積もった雪で山をつくり、藁などをつかって雪を囲い、夏まで貯蔵して活用する、まさに雪国ならではの知恵。上越地域では「雪穴(ゆきあな)」と呼び、暮らしの中に用いられてきました。

上越地域では、水揚げされた魚を、雪と一緒に運んだのです。料亭や旅館などでは「雪穴」から雪を運び出し、夏場の冷蔵庫として活用していました。そのほか、隣村からの求めに応じて保存して置いた雪を切り出し、荷車で運んだという話も。雪室は、昔から上越での生活に根ざした存在でありました。

かつての雪室を復元する様子(上越市安塚区)

(出典:十日町市博物館)

今なお生きる、先人の知恵。

電気冷蔵庫が普及するころまで、雪室は各地で使われてきました。
それでは現在ではどうなっているのか。
昔の雪室は時代の流れとともに衰退し、より現代的な新しいシステムの雪室が脚光を浴びています。
上越市内には多くの雪室が存在し活用されています。

たとえば、
雪室の中にお米やお酒、野菜などを入れることを、
「雪中貯蔵」と呼び、雪国では長く親しまれてきました。
この方法では、米や野菜の質を落とすことなく保存できるだけでなく、 ほどよく熟成させることも見込まれています。
お酒や味噌、しょう油などの醸造品では、
熟成が進むことで、いっそうマイルドな味わいに。
その他、お肉の熟成にも、塩を抜いた塩引鮭の冷風乾燥にも
使われるようになりました。

雪室の持つ、ちからとは。

雪による熟成、貯蔵、乾燥。雪の可能性は、まだまだ追求する価値のあるものばかり。
その一つひとつを、わたしたち雪室推進プロジェクトでは検証し、雪室商品にはもちろん、
雪室自体の開発に生かしています。

電気冷蔵庫とは、明らかに違う天然の冷蔵庫・雪室。

電気冷蔵庫では、通常、設定温度に対してプラスマイナス2~3℃を繰り返します。
仮に設定温度を0℃とした場合、庫内の温度はマイナス2~3℃まで下がってしまい、中に入れた食品や農作物は凍ってしまうことも。
一方、雪に覆われた室内は、冬場はもちろん夏場も天然の冷気で冷やされ続けることで、温度は常に0度ほぼ一定に保つことができます。食品にストレスを与えない雪室。ふだん使っている冷蔵庫で保存とは、ちょっと次元が違うのです。

雪室貯蔵の効果

※雪だるま財団監修

PAGE TOP